年金の支給開始年齢を68歳~70歳程度に引き上げる話は
少なくとも来年の通常国会に法案提出はなくなりましたが、
雇用の方はしっかり規制強化の動きが出てきました。
厚生労働省は、65歳までは希望者全員が再雇用される方向で検討を始めました。
現在は、労使間で再雇用される人について客観的な基準を作成し、
その基準に合致している人を再雇用するという方式で
再雇用制度を設けている会社が大半です。
おそらく現在もうけられている基準の例としては、次のようなイメージではないでしょうか。
・心身ともに健康であり、通常レベルの業務に耐えられること
・過去○年以内に減給以上の懲戒処分を受けたことがないこと
・過去○年の勤務評価が○以上であること
こうした基準が撤廃されるということは、
不健康であっても、定年直前に懲戒処分となった人も、
勤務評価が低い人であっても、本人が希望すれば再雇用するということになります。
従業員の視点から見てみます。
ちょっと前までの人は60歳で定年し、それからは働かずに年金暮らしとなりました。
今は、年金の支給開始年齢が上がっているところでして、
今後の規制強化も合わせると、
『年金の支給開始年齢は65歳からだけど、
働く気さえあれば、雇用の場所は確保してあげますよ』という流れです。
60歳から隠居の身、ということはしづらくなりましたが、
『あと5年働いて、年金がもらえなくなった期間の生活費を稼ごう』
という意識の方が多いかと存じます。
経営側の視点からすると、年金の支給開始年齢を上げたことへのつけが
なぜか企業に回ってきたという感じではないでしょうか。
民間企業は利益を追求する団体というところからスタートしておりますが、
社会の公器としての側面も持っています。
この規制緩和はよく言えば、社会の公器としての役割をより一層荷いなさいという
メッセージということになります。
これは経営者としては厳しい時代に突入ですね。
相当な意識改革と、今回の規制強化をバネにした生産性の向上が求められます。
来年の通常国会での法案が通れば、早ければ2013年からの施行となります。
(2011.12.14)




中野人事法務事務所